第91回コラム 「知識は身を助く」

 今回は、東武亀戸線「曳舟」駅より徒歩約5分の所に鎮座する、高木神社(東京都墨田区押上2-37-9)をご紹介します。応仁2年(1468年)に創祀され、かつては龍の松と称される大木が境内にあり、曳舟川を上り下りする舟をはじめ、往来の目印になっていたとのこと。また、「第六天社(ダイロクテンシャ)」と称し、明治の神仏分離によって「高木神社」と改称したとのこと(高木神社御由緒より)。

【鳥居】
 
【社殿】
 
【水鉢】
(筆者撮影)
【龍の口】(出所:https://takagi-jinjya.com/keidai/)

今回は、不正競争法の判例をご紹介します。
 本件は、ホワイトスター株式会社他(以下「原告」という。)が、株式会社アトラス(以下「被告」という。)に対し、不正競争防止法に基づいて、製造販売の差止め(不競法第3条1項)及び損害賠償金500万円(不競法第4条)を求めた事件です。
 下図に示すように、裁判になるまで、複雑な経過を辿っています。

 原告は、ペット用健康補助食品「ワンスプーン」の製造販売事業を引き継いでおり、投資を回収するため、やむなく裁判に至ったと思われます。
 本件では、P3が最も利益が得られたように思われます。
 株式会社緑微研が商標権を維持し、原告が当該商標権を正当に譲渡を受けていれば、原告は何ら苦労なく勝訴したものと思われます。
 一方、P2は知財に関する知識が他の関係者よりも上回ったため、勝訴したものと思われます。
「知識は身を助く」の典型的な事例であると思われます。
読者の皆様も、知財に関する知識を身につけ、事業に活用されることをお勧め致します。
 本事件の教訓を下記します。

【教訓】
1,商標権の更新をお忘れなく。
 商標の更新は、10年毎ですので、失念しがちです。
 スケジュール表に掲載し、忘れないようにしましょう。弁理士事務所又は管理会社に管理を依頼しましょう。
2,原告において、商標権に関する知識があれば、商標権侵害でも争えた。
3,不正競争防止法2条1項1号(混同惹起行為)における、周知性のハードルは高い。

以上