第45回 「日本弁理士会知的財産支援センター設立20周年記念式典及びセミナー」に参画して

今月は東京都中央区日本橋室町2-4-14に鎮座する福徳神社を紹介します。この神社は武蔵野の村落である福徳村の稲荷神社として祀られ、その地名をとって社号とした、とのこと。江戸時代に「富くじ」の興行を許された社寺の一つであったことから、宝くじ当選や金運向上祈願者が今でも多く訪れるそうです。日本橋のビルの谷間にあるのですが、全く違和感はありません。銀座線三越前駅から徒歩1分ですので、是非訪れてみて下さい。

【福徳神社鳥居】 【神額】 【福徳神社社殿正面】

 

二ヶ月連続で日本弁理士会の活動を紹介させて頂きます。
2019年11月7日(木)15時~17時、弁理士会館において、日本弁理士会知的財産支援センター設立20周年記念式典及びセミナーが、特許庁等の来賓をお迎えし開催されました。
初めに、記念式典において、弁理士会を代表して清水善三会長、正林副会長の挨拶の後、第1~3事業部の各部長から20年の歩みの紹介、最後に現センター長の羽鳥亘氏の挨拶により式典は終了しました。(筆者も1部長として紹介しました。)

続いて、以下の参加者によるパネルディスカッションが行われました。
モデレーター 羽鳥亘支援センター長
パネラー:税理士・弁理士:岩下卓司氏(特許庁OB)、公認会計士・弁理士:瀧田証氏、司法書士・弁理士:宮下直彦氏、特許庁企画調査課課長補佐:進示千尋氏
テーマ:弁理士による新たな支援の展望―絆―(10年後・20年後の方向性を探る)

まず、パネラーより自己紹介を兼ねて、取りあえずの考えが披露されましたので、以下に、筆者が感じ取った概要を記します。
○税理士岩下卓司氏(熊本市にて開業):弁理士と税理士の間の谷は深い。中小企業やスタートアップを支援する弁理士は事業計画作成のサポート能力が必要であり、税務知識は必須である。建築・土木行政においては入札の資格制度があり、特許を取っていると加点があり、入札において有利である。
○公認会計士瀧田証氏(弁理士事務所勤務):主にスタートアップの知財又は会計面での顧問業務を行っている。弁理士、会計士の専権業務はおこなっていない。スタートアップに対し、知財の支援が必要であることを痛感している。
○司法書士宮下直彦氏(伊那市で開業):司法書士は登記が主であるが、登記業務は減っている。建設業者は工夫をしているケースがあり、特許出願の可能性がある。弁理士と司法書士は、ツールとして利用しあえると思われる。スタートアップは、知財需要があると感じている。
○特許庁進示千尋氏:特許庁は本年度から、スタートアップを支援する知財アクセラレーションプログラム(IPAS)を立ち上げたので活用願いたい。

その後、モデレーターからの質問に応じてパネラーが答えるという形でシンポジュウムが進められました。
総括的には、スタートアップ支援が重要であり、弁理士は長い目で見て支援する姿勢が必要との方向性であったと感じました。例えば、スタートアップは資金繰りに苦労しているので、現時点では報酬額に見合わずとも、5年、10年先に回収できれば良いという発想が必要である。具体的には、将来のストックオプション、経営が安定してきた場合に顧問料を上げるなどの柔軟な発想が必要であると感じた次第です。

筆者も中小ベンチャー企業を中心に業務をしていますが、ベンチャーに対しては、柔軟な発想で支援をしなければならないと決意を新たにした次第です。
その後、場所を代えて歴代センターの表彰等を行い、盛会裏に終了しました。

以上

知的財産保護に

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