第30回 「知財教育2」

新年明けましておめでとうございます。
昨年はラグビーWカップでの日本代表の活躍を初めとして、世界体操での団体及び個人優勝、バドミントン世界選手権での男女アベック優勝等々、日本選手が躍進し、本年のリオ・オリンピックでの活躍が期待されるところです。本コラムを担当し、はや2年6ヶ月が経過しました。今年も日本選手に負けず劣らずの話題を読者の皆様に届けたいと気持ちを新たにしています。

さて今回も、前回に引き続き知財教育の話です。
昨年12月、自宅近くの玉川大学の経営学部における「ビジネス・リーダーシップ」ゼミの一環として、知財の初歩的な講義をしました。地域の活動を通じて知り合いになった先生とのご縁から降って沸いた話です。
経営学部の学生に興味を持って頂けると共に、将来役に立つ話は無いかと迷った結果、知財の基礎に関するゼミを行うことにしました。
また、ご担当の先生より「リーダーとして必要な能力」及び「経営者になるために必要なこと」のお題を頂きましたので、約40年のサラリーマン時代の経験に基づく話をさせて頂きました。

あまり興味を持って貰えないかなと不安を感じつつゼミがスタートしましたが、意に反し、熱心に受講して頂きました。受講後の感想文では、「日頃の授業とは異なる視点であった。」「特許・商標・著作権等の言葉は、ニュース等で知っているが、内容は良くわかっていなかった。」、「知的財産は遠い世界と思っていたが、スマホの中には特許・意匠・商標等沢山使用されている等、身近かなんだなと感じた。」等々、経営学部としては異色であったにも拘わらず、好印象でした。
また、「知的財産を経営にどうやって活かすか?」という課題でレポートを提出頂いたが、経営の中に、従来の財務諸表等では見えない知財を取り込むことの重要性を多くの受講生に認識してもらうことができたと思われます。さらに、知的財産を生み出すための土壌(組織・文化)作りが大切であるとの指摘もあり、内容の濃い掘り下げもありました。

前回も述べましたが、学校教育は知財立国を目指す我が国において極めて重要です。その中で、日本弁理士会は工学系を中心に知財教育活動を支援しておりますが、将来、経営者を目指す、経営・経済系の学生にも知財を活かした経営の大切さを伝えることの重要性を実感しました。

最後に、「リーダーとして必要な能力」及び「経営者になるために必要なスキル」に関して、合計で約20の項目を挙げました。
その中で、「出来ませんとは言わない。どうやったら出来るかを考える」、「1つの課題に対し3案検討し、最良のものを選択する」、「部下を育てるのがリーダー」、「常に学ぶ(学校を卒業してからが本番)」、「目標を紙に書いて貼っておく」、「全身全霊で打ち込める仕事を見つける」、「経営者は10年先を見据える」は、印象深かったようです。

今後も、このような場に積極的に参加し、将来を担う人々に知財の大切さ等を伝えて行く所存です。

以上

知的財産保護に

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