第59回 「秘密情報漏洩で困らないために」

 今回は、秋葉原駅南側の和泉公園隣に鎮座する金網稲荷神社(千代田区神田和泉町2-3)をご紹介します。本稲荷神社は、日本通運株式会社の創始者の一人である飛脚問屋・京屋弥兵衛が京都の伏見稲荷大社から勧請した稲荷であると伝えられています。大正期ころに同社秋葉原支店の敷地内に安置され、同社社員及びOBなどで組織される「日通金綱稲荷奉賛会」が中心となって奉賛されてきたとのこと。

正面石碑鳥居神額
(筆者撮影)

 令和3年1月12日に営業秘密情報漏洩に関する衝撃的なニュースが流れました。ソフトバンク(株)の元技術者が、不正に営業秘密をダウンロードした後、競合の楽天モバイル(株)に入社し、当該営業秘密を利用した疑いがもたれているとのことです。報道によれば、当該技術者は、営業秘密情報を流出させないとする誓約書に署名し、違法性を認識していたと推測できること、また、当該技術者が転職先の楽天モバイル(転職先企業)において使っていた業務用パソコン内に、退職前にダウンロードしたデータファイルが保存されていたとのことです。さらに、当該技術者は、難関とされる「線路主任技術者」資格を有し、携帯電話の基地局整備などを担当していたとのことです。

 営業秘密情報漏洩は、秘密情報を詐取された旧雇用者においても、新雇用者においても多大な有形、無形の損失を与えます。参考に過去の営業秘密漏洩に関する主要事件概要を下表1にまとめました。

【表1】

 今回のように、転職先企業におけるPCにデータが保存されていた場合、業務に用いていないとの反論は困難であると思われます。
 そのため、秘密情報の漏洩を起こさない、起こさせない対策を種々打っていると思いますが、再度点検することをお薦めします。
 特に、受け入れ側の企業における対策強化は、必要かつ急務であると考えます。対策検討のポイントを下記致しますのでご利用下さい。しかし、契約やシステムを十分整備したとしても、最終的には転職者の内心に依存するため、日頃の良好な人間関係を作るため、ふれ合いを基本に推進することが重要です。リモートワークが増える中、有意義なふれ合いをする事は難しい状況ですが、今こそ基本に立ち返る必要があると思います。

【点検事項】

下記のコラムもご参照方。
第36回 「御社の営業秘密管理は大丈夫ですか?」 (2016年7月22日)
http://www.jnotary.com/column/column_36.html

以上

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