第54回 「Covid-19で注目を浴びる野口五郎さんの特許発明」

今月は、映画「男はつらいよ」で有名な柴又帝釈天*1をご紹介します(東京都葛飾区柴又7丁目10‐3)。映画(TV)でもよく見たのですが、正式には経栄山題経寺*2(日蓮宗)と言うそうです。山門をはじめ、建屋の彫刻は、日光東照宮に劣らず、素晴らしいと感じました。獅子舞による「おみくじロボット」も興味深かったです。

【山門】 【本堂彫刻】 【おみくじロボット】

(筆者撮影)
*1:帝釈天はインドの聖典「リグ・ヴェーダ」の中軍神。
*2:寛永年間(1629)に改組されたとのこと。

今回は、ミュージシャンである野口五郎(本名:佐藤靖)さんの発明を紹介します。
Covid-19の影響で歌手や劇場俳優等の実演者は、実演の場が少なく困窮しているとのニュースが紹介されています。その中で、野口五郎さんが発案し、開発したシステムか注目を集めているとのことで調べてみました。
調査したところ、特許7件(表1)、商標19件(表2)が見つかりました。因みに意匠出願はありませんでした。野口五郎さんは、ミュージシャンであると共に、事業家という一面が強く感じられます。

表1 特許一覧

表2 商標一覧

これらの出願を考慮すると、2000年代後半に知財に関心を持ったようです(換言すれば、事業に関心を持った?)。
特許7件の内、初期の3件は電子マネーに関する発明であり、その後の4件が、今話題になっている、実演に関するコンテンツ配信に関する発明です。

次に発明の内容を調べてみました。
2010年頃は、電子マネー市場に着目して発想したようです。
その後、自身が属しているコンテンツ事業、所謂スマホを使ったシステムに着目して、現在の事業に繋がったようです。

事業は、株式会社ティーオーエア(代表者佐藤靖)がサービス名「テイクアウトライブ」を用いて行っています。野口五郎さんが社長です。
同社HPの「テイクアウトライブ事業の説明」には以下のように記載されています。
「QRコードを利用し、音楽や映像などのデジタルコンテンツをスマートフォンやタブレットに配信するサービス」
このサービスは、コンサートの他、結婚式等、遠隔地への配信にも使えるそうです。
<事業内容:テイクアウトライブ事業>

(出所:https://www.takeoutlive.com/)

関心の特許発明ですが、上記事業内容から、以下の2件が関係していると思われます。何れもネットと携帯機器を用いたコンテンツ配信に関するものです。何れもライブ動画をダウンロードで視聴でき、不正アクセス防止も考慮されているので極めて有効なシステムであると思います。
上記事業の推移を勘案すると、起業家と同じ足跡だなと感じます。
やはり、自分が属し、熟知している分野であれば、進め方や構造が解るので、新技術を導入する場合はどうすれば適用できるかが想像できるからと思われます。
チケット販売システムも特許され(特許第6192178号)ており、野口五郎さんの今後の事業が注目されます。

① 特許第4859882号 出願日:2008.6.30
概要:販売者は、携帯電話1から機種固有情報と販売情報を登録する。購入者はカード6に印刷されたQRコード5を読み込んで携帯電話2からサーバー3にアクセスし、販売品を登録する。サーバー3は、購入者の携帯電話2からアクセスを受けたときに、購入者の携帯電話2の機種固有情報Dが登録されている場合、正当権限を有すると判定し、何回でもダウンロード可能とする。これにより、不正入手によるダウンロードも防ぐことができる。

② 特許第6032997号 出願日:2012.8.10
概要:販売者携帯端末1と利用者携帯端末2がサーバー3と接続し、販売者携帯端末1は、カード6のデータコード5を読み取ることで当該カード6を販売可能状態とする。連携するライブ録音システム100によってデジタルデータがサーバー3にアップロードされたタイミングでカード6は利用者に販売される。利用者携帯端末2は、カード6のデータコード5を読み取ることで、サーバー3からダウンロードできる。同じ利用者携帯端末2を用いる限り、原則として繰り返しダウンロードできる。カード6が売れ残ったときは、販売者携帯端末1がデータコード5を読み取って、カード6のIDをサーバー3に送信するとカード6は販売不可状態となる。

(GORO-NET | 野口五郎公式サイト)

(https://www.goro-net.com/)

以上