第37回 「夏休み」弁理士会活動のPR
夏真っ盛りの中、皆様如何お過ごしでしょうか。今回は、前々回紹介した妻恋神社と前回ご紹介した湯島天神の中間にある実盛坂をご紹介します。坂とは言うものの、実物は階段です。高低差10メートルぐらいですが、結構キツイ傾斜です。実盛というと平家物語に出てくるあの実盛です。大昔、かの斎藤別当実盛の居住地とあり、このいわれから、実盛坂の名がついたようである。
去る7月24日の日曜日、八王子市にある明星大学で行われた「夏休み科学体験教室」のメニューの1つとして実施された、日本弁理士会の「発明教室」の講師を努めた際の報告を含めて学校教育における知的財産教育を考えました。
明星大学は、多摩モノレール中央大学・明星大学駅から直結の通学路で、校舎があるエリアに行くためにはエスカレータを2つ乗り継がなければならないという自然の地形を活用した作りになっています。
小中学生向けとして好評を博している知的財産授業「はつめいってなあに」の寸劇を演じた後、参加者に、課題と部品及び道具を与え、発明に取り組んで貰いました。
課題は、「くるくる回る皿」です。
部品は、A3大厚紙2枚、紙皿2枚、紙コップ2個、ネットに入ったビー玉15個、ゴルフ用鉛筆1本で 道具は、ハサミとセロハンテープのみです。
クラスは25名ですが、親御様と一緒の場合もあるので、50名程度であり、午前と午後の2回行いました。
参加者は、小学校1年生~中学校1年生までとかなり幅があります。
当初は戸惑っていた子供たちですが、5分位で部品を弄りだします。なかなか作り出さない子にいらだった親が、子供に指示しつつ自分で作り出すこともあります。早い人の場合、20分位でできあがります。50分で半数以上できあがります。もちろん、最後まで出来あがらない子供もいます。最後に修了証を渡して終わりです。これで、参加した子供たちは、夏休みの工作の宿題が完了です。挫折感を持たせずに自ら作りあげた達成感を味わってもらうため、ダイレクトに教えることもできず、アドバイスする側も悩みます。
この手の想像力を養成する授業は、各学校で取り組んでいると考えますが、どの程度なされているのでしょうか?経産省・特許庁は、自前で小学校から高校までの知財能力を研究しています(初等・中等教育における知財教育手法の研究報告書 発行平成20年3月)。
一方、文部科学省は、以下の2項目を重点に知財教育を推進するようです(平成27年11月30日知的財産戦略本部第2回検証・評価・企画委員会ヒアリング文科省説明資料より)。
①新たな発見や科学的な思考力の源泉となる創造性
②知的財産の意義(保護・活用の重要性)の理解
いずれにせよ、縄張り争いは止め、両省協力して将来の日本を背負って立つ人材の育成をして貰いたいと思います。
資源に恵まれない我が国の財産は、勤勉で優秀な国民・文化であると思います。この特性を活かすと共に、グローバル化世界において、確固たる地位を築くには、想像力・独創性を磨かなければならないと思います。想像力・独創性のスキルがあったとしも、訓練しなければ必要な能力は身につきません。また、自然に想像力や独創性を発揮する癖を身につけるべきです。斬新な発想やアイディアを考え出せる人材を多数育成するため、幼少期から創造的思考法を学び、身につける必要があり、そのためには、文科省及び経産省(特許庁)が協力し、創作の楽しさを感じられる授業のノウハウを早期に確立するべきです。そのような人材育成の一環として、文科省は平成26年04月より子供の豊かな学びを支えるために、「土曜学習応援団」を開始しました。日本弁理士会も、社会貢献活動の一環として。小学校~大学まで幅広い出張授業等を行っております。私も日本弁理士会の一員として、青少年の向け、知財教育活動に積極的に関与してゆきたいと思います。
発明教室の模様
日本弁理士会知的財産支援センターHP
http://www.jpaa.or.jp/?cat=27
以上