第121回コラム 「巧妙な模倣品販売対策について」

今回は、JR総武線「両国駅」から徒歩約8分に鎮座する徳之山稲荷神社(とくのやまいなりじんじゃ)(墨田区石原1-36-10)をご紹介します。

同社は、本所築地奉行徳山五兵衛重政の屋敷跡に祀った稲荷神を創祀とし、後に彼の功績を称えて御霊を合祀されたとのこと(徳之山稲荷神社由来より)。

【鳥居】
【神額】
【社殿】
【日本左衛門首洗い井戸跡之碑】

(筆者撮影)

最近、模倣品販売業者が詐欺広告をおとりにして、消費者を偽電子商取引(EC)サイトなどに誘い出す被害が広まっているとのことです。

今回はこのような巧妙な模倣品販売に対する対策を考えてみました。

■手口例

1. まず「詐欺広告」をばらまく

SNSや検索広告に、本物そっくりの広告を出す。

  • 正規ブランドや公式ショップを装った画像・ロゴ・商品写真を無断使用
  • 「公式」「正規品」「アウトレット」「在庫一掃セール」などの文言で安心感とお得感を演出
  • Facebook、Instagram、X、ショート動画広告など、ユーザーのタイムラインに自然に紛れ込ませる

この狙いは、「いつも見ているSNSに出てくる=安心」と思わせることです。

2. 広告から偽ECサイト・チャットへ誘導

広告をクリックすると、偽の販売ページや個別チャットに飛ばされる。

  • 有名ブランド公式サイトをコピーした偽ECサイト
  • LINEやメッセンジャー、DMなどの「個別チャット」に誘導し、そこで注文を受けるケースも多い
  • URLが微妙に違う、ドメインが怪しいが、デザインが本物そっくりで一見わからない

消費者は「公式の通販サイトとやり取りしている」と思い込み、安心する。

3. 「安さ」と「急がせ」で判断力を奪う

心理的に冷静なチェックをさせないのがポイント。

  • 相場では考えられないレベルの大幅値引き(70〜90%OFFなど)
  • 「本日限り」「在庫わずか」「タイムセール」など、時間・数量の制限を強調
  • 「品薄」「入手困難」「限定コラボ」など、希少性を煽る

「今買わないと損する」と思わせて、サイトの信頼性確認を飛ばさせる。

4. 支払い情報・個人情報を入力させる

ここが重要

  • 決済方法が「銀行振込のみ」「クレジットカードのみ」など、偏っていることが多い
  • 会社概要の住所や電話番号が虚偽、あるいはメールアドレスしかない
  • クレジットカード番号、氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどを入力させる

目的は下記2点

  1. 代金をだまし取る
  2. カード情報・個人情報を盗んで二次被害に使う

5. その後の典型的なパターン

  1. 商品が届かない
    • 代金を振り込んでも、発送されない
    • 問い合わせても返信がない、連絡先が機能しない
  2. 粗悪な模倣品・偽ブランドが届く
    • 写真と全く違う品質の偽物が届く
    • 返品・返金に応じない、連絡が途絶える
  3. カード情報・個人情報の不正利用
    • 別サイトでクレジットカードが不正利用される
    • 個人情報が他の詐欺やスパムに転用される

6. なぜ気づきにくいのか

  • SNS広告や検索結果の上位に出てくるため、「プラットフォームが保証している」と錯覚しやすい
  • サイトデザイン・ロゴ・商品写真が本物からコピーされていて、ぱっと見では区別がつかない
  • 日本語や特定商取引法表示も、以前よりかなり“それっぽく”作り込まれている

■対抗手段

巧妙な模倣品販売には、以下の対策が有効であると考えます。

1. 物理的な偽造防止技術

  • 包装箱や本体にコピーや再現が極めて困難な特殊な加工を施し、一目で真贋を判定できるようにする。

   ⇒ 見る角度で肖像が回転する3Dホログラムや、スマホのライトを当てると特定の文字が浮かび上がるイルミグラムなどの技術が有効です。

2. デジタル技術による追跡と認証

  • 「どの製品が・どこで売られたか」を記録し、消費者が自分で確認できる仕組みを作る。
  • 製品にICチップ(RFID / NFCタグ)を埋め込み、個別のIDで管理する。

   ⇒ ホログラムより偽造コストが高く、サプライチェーン全体の管理にも有用です。

  • ブロックチェーンを使い、QRコード等と連動させ、出荷から販売までの履歴を改ざん不可能な形で記録する。

   ⇒ 消費者がスマホでスキャンするだけで正規品か確認できる利点もあります。

3. 法的・行政的アプローチ

  • 模倣品の取引を法的に封じ込める。
  • 特許権、商標権や意匠権を取得し、侵害品に対してはECサイトへの削除申請、又は当事者へ販売等の差し止めを請求する。

   ⇒ ECサイトにおける削除申請に関しては、2024 年3月 独立行政法人日本貿易振興機構知的財産課発行「ECサイトにおける模倣品対策を講ずるための基礎情報調査考察レポート」が有用です。

https://www.jpo.go.jp/resources/report/mohohin/document/nenji/nenjihoukoku2023.pdf

  • 模倣品が海外から流入するのを防ぐため、税関に輸入差止を申請する。
  • JETROなどの機関が提供する模倣品対策支援事業を利用し、現地での調査費用などの助成を受ける。

以上