第107回コラム 「リヤド意匠法条約の採択」

今回は、地下鉄東京メトロ半蔵門線水天宮前駅より徒歩2分にある松島神社(まつしまじんじゃ)(中央区日本橋人形町2丁目15番2号)をご紹介します。

松島神社は、1585年に創建され、柴田家の屋敷神として設けたのが起源とのこと。天正時代(1573年 から 1592年)において、一般に公開され、江戸時代、地方から多くの人たちが住むようになり、故郷の神々を合祀するように頼んだため、祭神が多く祀られることになったとのこと。

(出所:ウィキペディア https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E5%B3%B6%E7%A5%9E%E7%A4%BE)

【正面】
【神額】
春の兆し (2025年2月8日撮影/墨田区)

 (筆者撮影)

リヤド意匠法条約は、2024年11月11日から11月22日にサウジアラビア・リヤドで開催された外交会議において確定し採択された条約です。

本条約は、15の国又は政府間機関が批准書又は加入書を寄託した後3か月で効力を生じます。

採択されたリヤド意匠法条約の主な内容は以下の通りです。

① 出願及び申請時に官庁が課すことができる要件

意匠出願、更新、名義変更又は実施権の記録の申請書類において、締約国が要求することができる要件や記載事項を列挙・明記し、更なる要件を締約国が課すことを禁止する旨を定めています。

② 新規性喪失等の例外

新規性喪失の例外の期間(優先日から遡って12か月)に意匠が公開されたとしても、その意匠の新規性等が喪失しないものとして取り扱う旨を定めています(但し、締約国は、条約への加盟時に、当該規定の適用を留保することを宣言することができます)。

③ 秘密意匠制度

登録意匠を出願日から起算して最低6か月、非公表のまま維持することを可能にする締約国の義務を定めています(但し、締約国は、条約への加盟時に、当該規定の適用を留保することを宣言することができます)。

④ 手続救済措置
  (a)官庁が指定する手続期間の延長

官庁が指定する期間を、条約・規則で定める要件が満たされることを条件として、少なくとも一箇月延長する救済措置の導入を締約国の義務とすることを規定しています。延長申請書の官庁への提出のタイミングを、期間徒過前とするか又は後にするかは締約国が選択可能です。

  (b)意匠出願又は登録に関する権利回復

締約国は、期間徒過後の期間の救済措置(上記(a)参照)を提供しない場合であって、期間不遵守の直接の結果として権利喪失を引き起こしたときは、一定の基準(相当な注意基準又は故意でない基準)及び条約・規則で定める要件が満たされることを条件として、意匠出願又は登録に関する出願人又は名義人の権利を回復する義務を負います。

  (c)優先権主張の訂正・追加

締約国は、条約・規則で定める要件が満たされることを条件として、優先権主張の訂正又は追加を認める義務を負います。

  (d)優先権回復

締約国は、優先期間を過ぎた後であっても、一定の基準(相当な注意基準又は故意でない基準)及び条約・規則で定める要件が満たされることを条件として、優先権を回復する義務を負います(但し、締約国は、条約への加盟時に、当該規定の適用を留保することを宣言することができます)。

(出所:https://www.jpo.go.jp/news/kokusai/wipo/riyadh-design-law-treaty.html

詳細は特許庁HPにてご確認下さい。

我が国においては、既に何れも採用されているため何ら影響はないと思われますが、開発途上国においては整備されていない場合もあり、外国市場へ進出する場合はメリットが大きいと思われます。

しかし、本条約が発効した場合であっても、各国においては法整備が必要であり、何時から有効になるか不明です。今後、タイムリーに本条約に関する情報を発信したいと思います。