第69回コラム 「海外事業展開における転ばぬ先の杖」

 今回は、JR総武線浅草橋駅から徒歩8分に鎮座する鳥越神社(東京都台東区鳥越2-4-1)をご紹介します。当初、白鳥神社と称され、孝徳天皇白雉二年(651年)創立とのこと。前九年の役のおり、源義家がこの地を訪れ鳥越大明神と改めたと伝えられている。例大祭に出る千貫(約3750kg)神輿は都内最大級を誇る(実際は千貫より軽い)。

【鳥居】
【社殿】
【境内内志志岐神社】
【側門】
(筆者撮影)

 2021年11月16日、「無印良品」ブランドで世界展開している株式会社良品計画(以下「良品計画」という。)が、中国において登録商標「無印良品」を保有する中国企業に対し、40万元(約710万円)の賠償を命じられたとのニュースが流れました。事の発端は、良品計画が、商標権侵害で「他社に商標を抜け駆け登録された」と批判する声明を店頭や通販サイトに掲示したことに対し、現地企業は名誉毀損に当たるとして、良品計画を訴えたことに対する判決です。
(出所:https://www.jiji.com/jc/article?k=2021110600177&g=int)最終確認12月11日
 良品計画の中国における係争履歴は下記【経過情報】をご参照下さい。

 日本人の感覚からすれば、良品計画の主張はごもっともと思われます。しかし、外国は文化や法律等が日本とは異なるので、その国の実情に合わせて対応することが必要と思います。極端に言えば、性悪説に立ってリスク対策をする必要があると考えます。

 知的財産権は、事業における合法的な武器です。合法的な武器を使って、事業を有利に進めることは重要です。特に、商標は開発費等が不要であり、出願費用も比較的安価であるので要注意です。

 特に、中国では、資力(純資産100万ドル(約1億)以上の人口が440万人)にものをいわせてあらゆる方策を打ってきます。例えば、3年不使用取消審判を請求し、当該審判が不成功に終わっても、裁判所に不服申立をします。また、類似の商標を多数出願し、希釈化を図ってきます。

 これらに対抗するには、外国での先行した商標権取得、及び外国での展示会出展、広告、販売の記録を保存しておくことが重要であると思います。係争になった場合、古くから使用していることの立証が必要だからです。証拠を残すことは、倉庫や、管理面において手間が掛かりますが、いざというときに効いてきます。

 最近では、インドでも先回りして商標を取得されるケースが増えつつあると思われます。

 外国での事業展開を考えた場合、その時点で商標を出願すべきことをお薦め致します。この場合、国(JETRO)や地方自治体の補助金を利用することができます。

以上

知的財産保護に

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