第83回コラム 「ヒット商品のキーワードは多様性にあるようだ?」

 今回は、東京メトロ銀座線「浅草駅」より徒歩15分の所に鎮座する、熱田神社(台東区今戸2-13-6)をご紹介します。同神社は、日本武命及び橘姫命を御祭神とする神社です。台東区有形文化財の大太刀「陰陽丸」(平成22年3月登載)が所蔵されているとのこと。

【神社正面】
【狛犬】
【社殿】
【境内内稲荷神社】(筆者撮影)

 最近の新聞記事に、身体障害者用に開発された製品であるが、健常者にも売れているとの記事が掲載されました。
 気になったので、その内の一部を調査してみました。
 最初に、株式会社東京信友の販売に係る携帯型無線呼び出しシステム「シルウォッチ」をご紹介します。
 腕時計型端末「シルウォッチ」は、来客によるインターホン音、火災報知器音、や目覚まし音など、日常で気づかなければならない健常者用の“音”が鳴ったとき、腕時計型端末が振動して音の代わりに振動によって伝えます。振動と共に、文字情報を送ることも可能です。
 開発の切っ掛けは、1998年に同社設立者の齊藤 勝氏が難聴者であることから、聴覚障がい者のより自由で安心の生活を求めて聴覚障がい者用の情報機器の開発を開始したことです(同社HPより抜粋)。しかし、現在は、以下のような用途にも用いられています。
1、倉庫やホールなど大きな建物内での係員の無線呼び出しや緊急連絡等の安全対策システム。
2、店舗、旅館、料亭、ホテル、病院のナースコール、映画館、劇場、老人ホーム、介護施設、アミューズメント施設、飲食店などでの無線による従業員、担当者の呼び出し、や業務連絡。

【(株) 東京信友HPより】

(出所:http://www.shinyu.co.jp/product/main/)

 同社の知的財産権を調査しました。残念ながら、特許出願は拒絶査定が確定しています。一方、「シルウォッチ(標準文字)」は商標登録されています。
特開2017-216588「構内緊急無線通知システム及びそのシステムに用いる携帯型人体接触無線通信端末」拒絶査定
商標登録第6616990号「シルウォッチ(標準文字)」第9類電気通信機械器具他

 次に、発達障がいの人の声から生まれた人気のノート「mahora」(大栗紙工株式会社)を紹介します。
 発達障がい者は、一般的なノートでは、「紙の反射がまぶしくて文字が書きにくい」「罫線以外の情報が気になって集中できない」との感覚があるそうです。
 そこで、同社は、のべ約100名の当事者の方にアンケート調査を行い、紙の色やけい線の種類・間隔、表紙のデザイン、一冊のページ数など、たくさんのご意見を基に、うす黄色のノートの用紙に太い線と細い線が5mm間隔で交互に入ったノート(「レモン」)と、うす紫のノートの用紙に網掛けの帯が8.5mm間隔で入ったノート(「ラベンダー」)を開発しました。
 「レモン」は、行の識別がしやすく、2行を使って大きく文字を書いたり、漢字にふりがなを書いたりするのにも便利だそうです。
 「ラベンダー」は、罫線ではなく網掛けなので、行内に文字を収めて書くにも、行を気にせず絵や図を自由に描くにも便利だそうです。(以上大栗紙工(株)HPより)

「レモン」                 「ラベンダー」

 2020年2月から販売したmahoraは、2021年7月までに累計5万冊のヒットとなったそうで、目にやさしい作りや使いやすさを理由に、発達障がいのある人だけでなくさまざまな人が購入しているとのことです。
 知的財産権は以下の通りです。
 特実意なし

商標登録第6253156号第16類文房具類,ノートブック

 考えてみれば、身体障害者に快適な物やサービスは、健常者にも快適であることは明かであると思います。そうすると、今後の新商品開発やサービス開発のキーワードの1つは、「身体障害者」であり、上位概念化すれば「多様性」であると思います。

以上