ZIP圧縮、過度な期待は禁物!ファイルの種類でこんなに違う圧縮率

「ファイルをまとめて送りたいから、とりあえずZIP圧縮!」

この習慣、多くの人がやっていますよね。でも、「ZIP圧縮すれば、ファイルサイズが劇的に小さくなる!」という期待は、実はファイルの種類によっては裏切られることが多いんです。

この記事では、テキストファイル、Officeファイル、画像ファイル、PDFファイルを例に、実際にZIP圧縮でどれくらいの圧縮率になるのかを検証し、「ZIP圧縮しても、思ったほど小さくならない」という現実をお伝えします。

圧縮率ってどうやって計算するの?

まず、圧縮率の計算方法を簡単に説明します。

圧縮率(%) = (圧縮前のファイルサイズ – 圧縮後のファイルサイズ) ÷ 圧縮前のファイルサイズ × 100

例えば、100MBのファイルが30MBになった場合、圧縮率は70%になります。

各ファイルの圧縮率を検証!

それでは、それぞれのファイルでどのくらいの圧縮率になるのか見ていきましょう。

1. テキストファイル:高圧縮が期待できる優等生

テキストファイルは、データがシンプルで重複が多いため、ZIP圧縮との相性が非常に良いファイルです。

例えば、数MBのテキストファイルであれば、80%以上の圧縮率も珍しくありません。内容によっては、90%を超えることもあります。

【検証結果例】

圧縮前:10MB

圧縮後:1.5MB

圧縮率:約85%

2. Officeファイル(Word, Excel, PowerPoint):そこそこ圧縮されるけど過信は禁物

Word、Excel、PowerPointといったOfficeファイルは、テキスト情報だけでなく、図形や画像、書式設定など様々なデータを含んでいます。そのため、テキストファイルほどではありませんが、ある程度の圧縮は期待できます。

ただし、ファイル内に多くの画像や埋め込みオブジェクトが含まれている場合は、圧縮率は低下する傾向にあります。

【検証結果例(Wordファイル)】

圧縮前:5MB

圧縮後:2.5MB

圧縮率:50%

3. 画像ファイル(JPEG, PNG):期待薄!元々圧縮されているものが多い

ここからが本題です。JPEGやPNGといった画像ファイルは、元々が効率的に圧縮された形式であることがほとんどです。

JPEGは「非可逆圧縮」という方式で、画像を保存する際にすでに人間の目には認識できない範囲でデータが間引かれています。PNGも「可逆圧縮」ですが、同じ色の情報を効率的にまとめています。

そのため、ZIPでさらに圧縮しようとしても、すでに無駄が少ない状態なので、劇的な変化は期待できません。

【検証結果例(JPEGファイル)】

圧縮前:3MB

圧縮後:2.9MB

圧縮率:約3%

【検証結果例(PNGファイル)】

圧縮前:2MB

圧縮後:1.8MB

圧縮率:約10%

ほとんど圧縮されないことがわかりますね。

4. PDFファイル:内容次第で大きく変わる、画像が多いと厳しい

PDFファイルも、その内容によって圧縮率が大きく変わります。テキストが主体のPDFであれば、ある程度の圧縮は期待できます。しかし、スキャンした画像が貼り付けられているPDFや、画像が多用されているPDFは、画像ファイルと同様に圧縮率は低くなります。

【検証結果例(テキスト主体のPDF)】

圧縮前:1MB

圧縮後:0.7MB

圧縮率:30%

【検証結果例(画像主体のPDF)】

圧縮前:10MB

圧縮後:9.5MB

圧縮率:5%

やはり、画像が多いPDFは圧縮効果が薄いことがわかります。

まとめ:ZIP圧縮は万能薬ではない!

今回の検証で、ファイルの種類によってZIP圧縮の効果が大きく異なることがお分かりいただけたでしょうか。

テキストファイル:高圧縮が期待できる

Officeファイル:そこそこ圧縮される

画像ファイル、PDFファイル(特に画像が多いもの):ほとんど圧縮されない

「とりあえずZIP圧縮しておけば大丈夫!」という考えは、ファイルの種類によっては期待外れになる可能性があります。特に、写真や画像が多いファイルを送る際には、ZIP圧縮による容量削減はほとんど期待できないことを覚えておきましょう。

ファイルを送る際には、圧縮率だけでなく、相手の環境や受け取りやすさも考慮して、最適な方法を選ぶことが大切です。