第102回コラム 「2回連続オリンピック選手のベッドに採用された段ボールベッドについて」
今回は、東京メトロ日比谷線・JR京葉線「八丁堀」駅より徒歩約3分の亀島川縁にある日比谷稲荷神社(ひびやいなりじんじゃ)(中央区八丁堀3-28-15)をご紹介します。同社の創建年代等は不詳ですが、当地(八丁堀)に社地を拝領して当社を勧請した際に、旧地名日比谷に因み日比谷稲荷と称したといいます。
(筆者撮影)
早いもので、東京オリンピック・パラリンピックから3年が経過し、本年8月・9月にパリオリンピック・パラリンピックが開催され、多くの日本選手が活躍したことは記憶に新しいところです。
また、選手村におけるベッドは、東京オリンピック・パラリンピックに続いて段ボールベッドが採用され、話題を呼びました。
2大会連続採用の理由としては、環境への影響を最小限に抑え、再利用する目標に叶うとのことです。
段ボールベッドは、株式会社エアウィーヴが提供していることはよく知られています。よく話題になる強度に関し、同社によれば、選手3〜4人がジャンプしても耐えられる強度があるとのことです。
エアウィーヴ社は、三分割構造ベッドマットレスに強みを持っているため、ベッドのフレーム部分である段ボール部分は、王子ホールディングス株式会社との共同開発のようです(特許第7254293号)。
特許公報によれば、発明の課題は、段ボール製のフレーム本体に収容空間を設けても、耐荷重を十分に確保できるベッドを提供することです。
解決手段は、下図を参照しつつ説明すると、段ボール製のベッドフレームであって、前後方向に延びている第一フレーム10と、左右方向に延びている第二フレーム20と、を有するフレーム本体2を備え、複数の第一フレーム10が左右方向に並べられ、各第一フレーム10の前部および後部に第二フレーム20,20が組み付けられ、第一フレーム10は、支持梁11と、支持梁11から下方に向けて延びている前後の脚板12,12と、支持梁11に重ねられた芯材13と、を備え、芯材13の前後の端部は、両第二フレーム20,20に支持され、脚板12を構成する段ボールの段目(※1)は、上下方向に延び、芯材13を構成する段ボールの段目は、前後方向に延びていることを特徴とします。
強度を高めるポイントは、第一フレーム10の支持梁11内に、段目が前後方向に伸びている芯材13を配置し、その芯材13の前後の端部を第二フレーム20の上端部に支持させ、脚板12の段目は上下方向に伸びている構成です。
慣れれば、10分程度で組み立てることができるそうです。
環境に優しく、軽量かつ組み立てが容易である、日本発段ボールベッドが普及することが望まれます。
(*1)段目とは、中芯における波形の伸長方向
【説明図】