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コラム概要

第4回 意匠再考(2)関連意匠制度について             2013年11月06日

 今回は、関連意匠の活用について考えてみたいと思います。
 「関連意匠制度」とは、デザイン開発の過程において、一つのデザインコンセプトから創作された複数のバリエーションのデザインについて、独自の効力を有する意匠権として保護する制度です。関連意匠制度によって、下記のイメージ図に示すように、本意匠に係る類似範囲を拡大し、結果として、保護範囲を拡張し、かつ、明確化できます。 すなわち、本意匠(基本の意匠)と、これに類似する関連意匠(バリエーションの意匠)A,B,Cが、本意匠に類似している場合、A+B+Cの範囲まで権利範囲を明確に拡大することができます。換言すれば、従来、ともすれば、類似範囲に他人の意匠が登録された結果、類似範囲が狭くなっていた問題を解消することができます。

 次ぎに関連意匠を活用している事例を紹介します。

 【事例1】 関連意匠と部分意匠の組合せ 意匠に係る物品:包装用瓶
 事例1においては、瓶周囲のくぼみ形状が本意匠では横向き楕円形であるが、関連意匠1においては縦向き楕円形まで拡大し、さらに、関連意匠2~4において包装用瓶の形状の範囲を拡大することを意図していると推測されます。

 【事例2】 関連意匠と部分意匠の組合せ 意匠に係る物品:身体鍛錬器具
 事例2においては、荒馬の背に載置した鞍の先端の持ち手部を関連意匠1及び2により、後端の臀部支えの形状を関連意匠3及び4により、拡大することを意図していると推測されます。

 【事例3】関連意匠 意匠に係る物品:腕時計本体
 事例3においては、長方形の表示部に複数の矩形ブロックを逆く字形に配置すると共に、余白部に時刻表示用の液晶部を配置した本意匠に対し、複数の矩形ブロックをランダムに配置した関連意匠を取得することにより、複数の矩形ブロックと時刻表示用の液晶部を配置した意匠であれば、全て類似範囲に含めることを意図していると推測されます。

 【事例4】 関連意匠 意匠に係る物品:包装用缶
 事例4においては、楕円形の枠内にミカン全体を左側に、及び、半割ミカンを右側に配置した本意匠に対し、関連意匠において本意匠と同一の枠内にミカンと同様にリンゴ全体及び半割リンゴを配置することにより、同一の枠内に同様に他の果物が配置された意匠まで類似意匠になるよう拡大することを意図していると推測されます。

 したがって、意匠の最大の欠点であった保護範囲について、部分意匠制度と関連意匠制度を活用することによって大幅に改善することが出来ます。
 また、関連意匠制度・部分意匠制度と同趣旨の制度は下表に示すように外国にも存在します。

 以上より、前回の部分意匠制度と今回の関連意匠制度とを組み合わせることにより、従来の全体意匠に比して広範な類似範囲をカバーする意匠権を取得することができます。したがって、特許を取得できない枯れた技術分野において、又は、特許と共に意匠権を取得し、差別化に活用しては如何でしょうか?

以上


 

第1回 知財界における2015年問題について (2013年8月5日)

第2回 米国における登録前情報提供制度の活用 (2013年9月2日)

第3回 意匠再考(1)部分意匠制度について (2013年10月1日)

第5回 中小企業の強みを生かそう (2013年12月3日)

第6回 「元気印」のキーワードと中小企業支援策の活用事例 (2014年1月9日)

第7回 産業財産権によって広範に保護したいときどうしますか? (2014年2月13日)

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第20回 「秘密情報の保護について」 (2015年3月10日)

第21回 「秘密情報の保護についてⅡ」 (2015年4月8日)

第22回 「自撮り棒」 (2015年5月14日)

第23回 「日本弁理士会による知財キャラバンについて」 (2015年6月9日)

第24回 「プロダクトバイプロセスクレームの最高裁判決について」 (2015年7月14日)

第25回 「Karakuriからイノベーションへ」 (2015年8月17日)

第26回 「今話題の著作権について」 (2015年9月18日)

第27回 「著作権により保護される著作物とは?」 (2015年10月22日)

第28回 「TPPの知的財産分野への影響」 (2015年11月13日)

第29回 「これで良いのか知財教育」 (2015年12月14日)

第30回 「知財教育2」 (2016年1月15日)

第31回 「職務発明制度改正」その1 (2016年2月10日)

第32回 「職務発明制度改正」その2 特許法第35条第4項の解説 (2016年3月11日)

第33回 「職務発明制度改正」その3 「特許法第35条第5項の第6項における指針(案)を踏まえた解説」 (2016年4月19日)

第34回 「職務発明制度改正」その4 特許法第35条第5項の解説 (2016年5月18日)

第35回 「大幅な効率化のための職務発明規定の一例」 (2016年6月24日)

第36回 「御社の営業秘密管理は大丈夫ですか?」 (2016年7月22日)

第37回 「「夏休み」弁理士会活動のPR」 (2016年8月23日)

第38回 「山口大学の知財活動」 (2016年9月26日)

第39回 「取扱説明書の保護を考える」 (2016年10月18日)

本谷 孝夫(ほんや・たかお)

本谷国際特許事務所 所長(弁理士)
℡ 03-6820-8285
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https://honyasama.wordpress.com

略歴 日産自動車㈱で30年近く特許業務に従事
   その後旭精工㈱で知財の責任者として活躍
   (旭精工㈱は、平成22年に特許庁知財功労賞を受賞)
   平成24年11月事務所を開設。

本谷弁理士
  • 電子認証局会議
  • 株式会社日本電子公証機構 認証サービス iPROVE
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